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金融緩和の出口、当面のポイント(阿部重利)

2017-11-24

 日本銀行は物価上昇率2%の目標達成に向けて、大量のお金を流し込むために銀行などから国債を購入する“量的緩和政策”を続けており、日銀が保有する国債残高が全発行残高の約4割にまで膨らんでいます。

 日銀の資産規模は500兆円台に達し、13年4月に量的・質的金融緩和を導入して以降、約3倍に膨張しており、その副作用に不安の声も強まっています。

 そこで、国会でも「出口戦略」に関する説明を求める声が出てきているのですが。

 「出口」とは、中央銀行が景気底上げのために実施した金融緩和策を、景気回復後に手じまいし、通常の状態に戻していくことを言います。

 「そりゃ通常の状態が良い!」と簡単に思われるむきも多いと思いますが、事はそう簡単には運ばず。なぜなら、日銀は2%の物価上昇を達成するために、これだけの大規模緩和を続けてきたわけですが、

(1)「これだけの緩和を5年続けてきても、結局目標(2%の物価上昇目標)は達成できず、やりっぱなし、投げ出しかい!」というツッコミの声

(2) 出口に向かうということは、「これまで買ってきた国債や株を売るのかい!」というツッコミの声

が聞こえてきそうだからです。

 そんなわけで、出口に向かうも緩和を継続するも、どちらにも大きなリスクが伴なうと言ってよいのではないでしょうか?

 そこで、当面の「ポイント」ですが、日本銀行の黒田総裁が来年4月の任期満了に伴って「再任されるか?」「交代か?」だと考えております。

 「再任」された場合、黒田総裁は、「物価上昇率が安定的に2%超になるまでマネタリーベース拡大を続ける」とコミットしている以上、出口戦略に関してはかなり後送りの可能性が高いのではないでしょうか?さらには、世界経済の情勢次第では「追加緩和」さえ余儀なくされる可能性もあるのでは?と考えています。

 逆に、「交代」の場合、もちろんこれまでの政策を総裁が一人でやっていたわけではないので大勢に影響ないのかもしれませんが、少なからず、再任されなかった場合は、政策変更⇒出口への道筋と感じて、マーケットの動揺は免れないと思います。

 いずれにしても、当面の日銀総裁人事からも目が離せませんね。

阿部 重利

【あべ しげとし】

経済産業省認定 経営革新等支援機関 ヒューマネコンサルティング株式会社
代表取締役

保有資格:
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、CFP(R)、金融知力普及協会認定金融知力インストラクタ−、DCアドバイザー、年金・退職金総合アドバイザー、心理カウンセラー、ワークライフバランスコンサルタント

金融機関での実務経験を生かし、経営顧問・コンサルティング活動の傍ら、全国各地で講演会をはじめ、年約150本の企業研修、講演会、セミナー、などを精力的にこなしている。そのパワフルでユーモア感のある語り口と説得力は各方面から好評を得ており、これまでコンサルティングや研修、講演を受けた企業人の知識やモチベーション・スキルアップに大きく貢献している。
著作に、『危機感≠フない人にチャンスは来ない!―トランプ大統領周辺ニュースにも今更驚かない! 目からウロコの経営・資産運用発想法』(セルバ出版)、『実践 ワーク・ライフ・ハピネス2〜成功する会社は仕事が楽しい〜』(万来舎)、『働き方が変わる!会社が変わる! 実践ワーク・ライフ・ハピネス』(万来舎)、『コモディティ投資入門』(アスペクト社)、ほか、『フィナンシャル・アドバイザー』誌(近代セールス社)、『ファイナンシャル・プラン』誌(きんざい)等多数。

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