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米利上げと掉尾の一振(阿部重利)

2015-12-04

 今年の株式相場も残すところあと1月を切って参りました。このように年も押し迫ってくると、相場の世界で「掉尾の一振」(とうびのいっしん)と言う言葉を聞くことがあります。この「掉尾の一振」とは、年内最後の取引日である大納会に向けて株価が上昇し、年末に起きる株高のことをいいます。「掉尾」とは「物事が最後になって勢いの盛んになること」を意味します。また「一振」とは「きっぱりととり払うこと」を意味することから、物事の最終局面で勢いを増すといった意味で使われるのだと思います。

 そんななか、今年は、年末に向けてマーケット関係者が大注目する「米国利上げの有無」といった大きなポイントもあります。

 米国の利上げとは、米国の主要政策金利であるフェデラル・ファンド金利の目標をFOMC(連邦公開市場委員会)が引き上げることを指していますが。

 基本的に、FOMCは米国の景気が冷え込んでいる時には金利を引き下げて需要を喚起し、逆に景気が過熱気味になってくると金利を引き上げて景気が過熱するのを防ごうとします。よって周知の通り、2007年に発生したサブプライムショック、その後の2008年のリーマンショックなど米国で金融危機が発生したことを受け、FOMCは2008年の12月以降、フェデラル・ファンド金利の目標を下限である0.25%として実質的なゼロ金利政策を維持してきました。

 ところが、ここのところの雇用統計の結果などから、米国の労働市場が回復するとともに米国の景況感も好転してきたという思惑が台頭し、FOMCは金利の引き上げを検討しています。

 そのタイミングが「12月15日、16日に開催されるFOMCで」という説がかなり有力になってきたようです。過去の米利上げ局面を見てみると、1990年以降に断続的に利上げが行なわれた3回の事例では、利上げ当初は株価が調整する傾向がありますが、その後は利上げ前よりも株価は上昇しています。

 さて、「掉尾の一振」

 一般的には、新年相場への期待感、年末の節税対策売りなどが一巡して売り圧力が減少し、ファンド等による期末のお化粧買いなどを根拠としたアノマリー(はっきりとした理論的な根拠を持つわけではないが、よく当たるかもしれないとされる経験則のこと)だと思われますが、果たして今年は「掉尾の一振」となりますでしょうか?米国利上げの動向も含めて注目して参りたいと思います。

阿部 重利

【あべ しげとし】

経済産業省認定 経営革新等支援機関 ヒューマネコンサルティング株式会社
代表取締役

保有資格:
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、CFP(R)、金融知力普及協会認定金融知力インストラクタ−、DCアドバイザー、年金・退職金総合アドバイザー、心理カウンセラー、ワークライフバランスコンサルタント

金融機関での実務経験を生かし、経営顧問・コンサルティング活動の傍ら、全国各地で講演会をはじめ、年約150本の企業研修、講演会、セミナー、などを精力的にこなしている。そのパワフルでユーモア感のある語り口と説得力は各方面から好評を得ており、これまでコンサルティングや研修、講演を受けた企業人の知識やモチベーション・スキルアップに大きく貢献している。
著作に、『実践 ワーク・ライフ・ハピネス2〜成功する会社は仕事が楽しい〜』(万来舎)、『働き方が変わる!会社が変わる! 実践ワーク・ライフ・ハピネス』(万来舎)、『コモディティ投資入門』(アスペクト社)、ほか、『フィナンシャル・アドバイザー』誌(近代セールス社)、『ファイナンシャル・プラン』誌(きんざい)等多数。

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