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マネープランは必要か?(阿部重利)

2016-04-08

ライフプランとマネープランの関係性

 4月は、毎年多くの新入社員研修を担当します。その際フレッシュマンやフレッシュウーマン達に対して、考えてもらうことがあります。それは、「ライフプランとマネープランの関係」についてです。

 ライフプランとマネープランはイコールでしょうか?人生すべて「おカネ」というわけではありませんので、イコールではないと思います。では、ライフプランを立てる上で、マネープランは全く要らないでしょうか?

人生の三大支出

 やはり、自分の人生を考える上で、例えば人生の三大支出とも言われる「住宅」や「教育」、はたまた「老後の生活費」など、いざという時に全くおカネの準備がされていないというのでは、ライフプランそのものが成り立たないかもしれません。そういう意味では、マネープランは必要ということになるでしょう。

 具体的には、「住宅費用」は、平成23年度フラット35利用者調査報告によると、平均購入価格は建売で3,321万円、分譲マンションで3.840万円となっています。「教育費用」は、文部科学省の調査(子供の学習調査)によると、子供一人当たり(高校まで公立、大学が私立文系で)約1.000万円程ともいわれています。

 また、「老後の生活費」では、生命保険文化センター(平成22年度 生活保障に関する調査)によると、セカンドライフの必要な最低日常生活費は、毎月22.3万円で、さらに「ゆとり」を持ちたい家庭はその上に14.3万円の上乗せが必要としています。これら合計36.6万円を男性・女性のそれぞれの平均余命で考えると

36.6×12か月×25年=10,980万円

となります。

(上記“25年”は、厚生労働省「平成22年簡易生命表」より、60歳時の男性の平均余命22.84年、女性の平均余命28.37年の平均値から算出)

焦ることなかれ

 このような金額を特に新入社員のように若い人たちが聞くと、「とても自分のライフプランや“夢”など遠い世界の話である」と将来に不安や焦りを感じる人もいるかもしれません。

 しかし、間違ってはいけないのは、これら平均的に必要とされるおカネを必ず貯めなければならないわけではないということです。あくまで一般的にいわれている金額ですので、個人の価値観やそれこそライフプランによって違います。

 また、場合によっては、「借り入れ」という手段もあるでしょう。実際に「住宅ローン」等という話は良く聞くことだと思います。さらに、年金などといった将来的な収入源もあるでしょう。ただ金額だけ聞いて、不安になったり、焦ったりはしないで頂きたいと思います。

ベースとしてのマネープラン

 まずここで大切なのは、不安になったり焦ったりする前に、しっかりと現状を把握することだと思います。

 ライフプランをイメージする中で、自分には資金が十分あるのか?もし足りないのなら、どのくらいの資金を準備する必要があるのか?ローンという手段もあるのか?頑張って働いて、精神的自己実現とともにマネー部分でも充実することは可能か? 「資産運用」について考えるか?それには「時代背景や金利の状況」はどうか?など。まずは「現状を見つめる」という意味でも、ベースになる「マネープラン」を考えることには意義があると思います。

 新入社員の若い人たちに、綿密で周到なマネープランを立てて下さいなどとは思いませんし、元々「プラン」なので、その通りいくことばかりではありません。むしろ、プラン通り行かない時に修正していくことこそ大切だと思いますので、その「ベース」として、「マネープラン」を考えてみてはいかがでしょうか?

阿部 重利

【あべ しげとし】

経済産業省認定 経営革新等支援機関 ヒューマネコンサルティング株式会社
代表取締役

保有資格:
BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、CFP(R)、金融知力普及協会認定金融知力インストラクタ−、DCアドバイザー、年金・退職金総合アドバイザー、心理カウンセラー、ワークライフバランスコンサルタント

金融機関での実務経験を生かし、経営顧問・コンサルティング活動の傍ら、全国各地で講演会をはじめ、年約150本の企業研修、講演会、セミナー、などを精力的にこなしている。そのパワフルでユーモア感のある語り口と説得力は各方面から好評を得ており、これまでコンサルティングや研修、講演を受けた企業人の知識やモチベーション・スキルアップに大きく貢献している。
著作に、『実践 ワーク・ライフ・ハピネス2〜成功する会社は仕事が楽しい〜』(万来舎)、『働き方が変わる!会社が変わる! 実践ワーク・ライフ・ハピネス』(万来舎)、『コモディティ投資入門』(アスペクト社)、ほか、『フィナンシャル・アドバイザー』誌(近代セールス社)、『ファイナンシャル・プラン』誌(きんざい)等多数。

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